2012年 02月 21日
文化の割れ目 ~その88~ |
90年代英国で栄華を為したインディペンデント・ミュージック レーベルの夢、
allan mcgyee率いるcreation records。(上の写真のおじさまが、総帥のallan)
allanとprimal screamのbobbyという二人のpunksのお遊びが、
世界を興奮の渦へと巻き込んでいた。
先日遅ればせながら、渋谷のuplinkという小さな映画館で
レイトショーで、creation records story upside downというドキュメントを観た。
眼から鱗話と、反面教師的な教えの部分と、半々。
とにかく、ドラッグとパーティーと夜と恍惚と。
要するに、尋常ではない、ということだ。
金が入っては新しい才能に賭け、会社は倒産寸前。
でもその賭けた才能が花開き、会社は潤う。
では次は何にどれだけ賭けよう。
bet times。
そんな切った張ったの世界。
ある意味最高。
このcreation recordsは、イギリスの90年代の最重要を占めたメンツを揃えていた。
brit popというムーブメントにもなったシーンの台頭のoasisを排出したのも、creationだった。
マッドチェスターというシーンの真ん中に存在したprimal screamも。
「愛なき世界」という名のお化けアルバムを創ったmy bloody valentineも。
所属したバンドを挙げてみよう。
Adorable、Weather Prophets、Ultra Living、 Velvet Crush 、18 Wheeler、 Oasis 、 The Loft 、The Jesus & Mary Chain
The Jasmine Minks、 Super Furry Animals 、Slaughter Joe、 Slowdive 、Swervedriver、 Saint Etienne、 Times、 Teenage Fanclub、 The Telescopes
Bernard Butler、The House of Love、 The Pastels、 BMX Bandits 、Peter Astor、 Biff Bang Pow 、The Boo Radleys、 Felt、 Primal Scream、 Heavy Stereo
My Bloody Valentine 、Ride、 Rasor Cuts。
まさに、夢のようである。
この映画の他に、creation recordsという名のパーティーの記録も書籍でリリースされている。
90年代は一番CDが売れた年代だった。
あの音楽を聴いているか?知ってるか?とかが
ある種のステータスでもあったと思う。
ファッションや音楽産業は、いまや窮地に立たされており、
いやはやなんとも、むべかるかな、既に個としてのものになりつつある。
このような興奮が、いまいちどやってくるかはわからないが、
かつて、このような嘘が本当になる事柄自体が存在したことは
やはり僕らの持つ光なのである。
人間であるから、希望をついつい持ってしまう。
それはきっと、ワルいことじゃない。
by green-ball
| 2012-02-21 22:03
| 音楽