2012年 10月 06日
文化の割れ目 ~その99~ |
山下達郎のベスト盤が出た。
レーベルの垣根を越えたオールラウンドな好盤。
とかく、ヤマタツ好きな僕であるのですが。
正直、山下達郎さんはとても魅力的/偉大な人なので、
なにから/どう書いていったらいいのかわからない、
というのが正直なところなのですが、
私は彼の音楽は勿論の事、音楽へのスタンス、取り組み、考え方、
ある種の「人間の在り方」の基準として捉えてしまうくらい盲目的にファンなのです。
個々最近なんかは、山下達郎しか聴いていない、必要ないモードになっていて、
他の音楽なんか聴けない身体になっております。
その作品をひとたび聴いて頂くとお解りになることであろうが、
とにかくそのひしめくキャリアの最初から今日まで
ひとつもブレることのないサウンドプロダクト。
もう30年以上の前の楽曲は、ひとつも懐メロとしての
経年を感じる事無くダイレクトに音楽している。
この一貫性、時代に左右されない耐年性、そこにダンディズムを感じます。
先日、これも話題になりましたが、全国のシネコンで
山下達郎のフィルム・コンサートが催されておりました。
いやあ。
これがまた度肝を抜かれるほどの圧倒的な催しで。。。
僕は過去何回か山下達郎さんのライブへ足を運んでおりますが、
いつも席割りが遠い位置で、まあ、音を聴きには来ているのですが、
どんな表情で歌っているのか、演奏しているかを
肉眼に焼き付けたいと思うのは、これ観客の人情なりけり。
まあ、平たく言うと、これまで遠くでしか確認出来なかった
山下先生の表情が、こうして映像で至近距離で拝めた、という話です。
このフィルムコンサートは、これまでのライブのダイジェストで、
初期から最近までのライブの統括。
いや、すごいのなんのって......。
兎に角、パッションは勿論、垣間見る練習量、技術、もう、ただただ無防備に感動してしまう。
勿論、私はユースカルチャーが好きですから、インディーズシーンのバンドも
チェック致します。
どのバンドもセンス、パッション、申し分無く兼ね備えてて、素晴らしいバンドばかりではあります。
ロックンロールという音楽はその刹那に汗をかいて生命を鳴らすか、という作業/音楽に
なってきますので、パッションという部分は非常に重要になってきます。
しかし。
もう僕の心はそれだけでは震えなくなってしまっている自分に気づく。
単純にその表現力に付随する演奏力、技術、の部分である。
その熱いパッションに技術が合わさったらどうだろう?
いまはパッション先行、センス先行型ばかりが目立っていて、
正直、あんまり好きになれない自分がいます。
加齢のせいなのだろうか。。。
こんなに音楽を愛し、そして音楽という枠からは一切はみ出ることを
己に許さず、ブレずに歩を進める.....。
男としてこんなに素敵に映る方はそうそういません。
僕は彼の作品をアナログ/CDで併せて手に入れておりますが、
このベスト盤はまた違った響きを持っている事でしょうから、
(リマスター済み!)買いにいこうと思う。
ヤマタツさえあれば、なにもいりません!少なくとも年内中は!!
by green-ball
| 2012-10-06 18:31
| 音楽