2010年 07月 08日
文化の割れ目 〜その59〜 |
サッカー好きな皆さん!
そんなに好きですか!?
そんなに感動をありがとう、ですか!?
そんなに感動したいですか?
そんなに感動に飢えてますか?
熱狂してますか!
そうですか!
いいですね!
僕はサッカーを小学3年生から高校生の初めまでしてました。
でも、親の期待を背負い、更に、それに応えなければ、という思いばかりで、
まったくコレ、好きじゃない、とわかり、さっさと辞めました。
だから、そんなに好きじゃないんだ、僕、サッカー。
別に言うことでもないだろうけど。
でもね、マラドーナ。
ディエゴ マラドーナ。
言わずと知れた、天才レフティー。
とにかく、人間が桁外れに面白い。
この映画は、彼のプレーのみに魅力を感じている人には
あまりお勧めしない。
人間、そしてエンターテイナーの部分である彼に興味が
ある方にはおすすめのドキュメント フィルム。
旧ユーゴ出身のエミール・クストリッツァ監督。
マラドーナの体調不良などでしばしば撮影は中断し、なかなか踏み込んだ内容の映像を取るのは困難であったよう。
しかしながらマラドーナというサッカー界のアイコンにして、サッカー界のセックスピストルズと呼ばれる彼の矛盾したヒーロー像を引き出している。
2005年のブエノスアイレス。クストリッツァは、2台のカメラと数人のクルーと共に、
ディエゴ・アルマンド・マラドーナにインタビューを試みる。やがてマラドーナは、カストロへの敬愛や、反米主義、フォークランド紛争への怒りを語り始める。
マラドーナはそんな特別な存在の一人だ。
“神の手ゴール”と“5人抜き”という伝説に光と影があるように、
彼の人生にも、最高のサッカー選手でありながら麻薬におぼれて自滅した悲劇が濃い影を落としている。
天才サッカー選手でありながら、私生活ではさまざまなトラブルと格闘した彼を、クストリッツァは
「何をやっても失敗してしまう。私の映画の登場人物のようだ」と語っているのが、実に興味深い。
だが、大スターであるがゆえの重圧から逃げるためにコカインに手を出したことを、
心底悔やむ彼の顔は悲痛なものだ。そこにあるのは、取り返しのつかない過ちの罪を今も背負う苦悩。
「私の心は誰にもわからない」
とポツリとつぶやく、飽きれる程のスーパースターとしての孤独が痛ましい。
今までも十分に波乱万丈の人生だが、マラドーナは母国アルゼンチン代表監督である。
残念ながら、彼のW杯は終わってしまったし、
by green-ball
| 2010-07-08 13:27
| 映画