文化の割れ目 ~その69~ |

スミスと同じくらい、ホットなのが長渕剛ブームである。
正直、通ってなかったのですが、ここにきて、グッときた。
素晴らしい!
ソングライティングの才能が素晴らし過ぎる。
ニールヤング級です。
それを日本人にわかりやすく咀嚼し、
表現していると僕は感じる。
ギターの音にも凝ってて、
こんなに良い音が出るんだ、アコギって......。
なんて思うのです。
日本のフォークシンガーでこんなにアコギの音に
こだわっている人は見たことがないくらいです。
日本人、田舎者の悔しさを乗っけた歌詞も素晴らしい。
血が滾る、騒ぐ。
無知であり、盲目であり、純粋であることの
尊さ、素晴らしさも内包している。
まぁ、アニキに言わせりゃ、そんなの当たり前ですが。
「長渕が好き」というと、どうも世間的に笑われたりもしますが、
カンケーありません。
好きです、僕は。
透き通る声と、長髪細身の朴訥とした風貌でシーンに現れた氏。
そこから見た目、観念的にも、今日に至るまで普通では考えられない
様々な移り変わりが見られます。
氏の凄いところは、自分自身への自問自答が
完全に他人への説教と捉えられ、それがエンターテイメント、
世俗に対するボケになっているところです。
自分のダメな部分をわかっていて、それでもやらなくちゃいけないという
自問自答が氏の歌にはある。
一見、虚勢と思われるかもしれないけれども
立ち向かっている様な気がする。
現在の筋肉隆々の姿も、その弱さの裏返しな気がして、
僕にはその繊細さを、とても笑えやしない。
長渕剛は、そんな人なんじゃないかと、僕は思う。