2011年 01月 10日
文化の割れ目 ~その70~ |
年始はお休みが長いので、なんとなく特番や撮り溜めたCSチャンネル再放送ドラマや
DVDをダラ見するのにもってこいである。
もう暫しでお休みも終わりであるが......。
私の奥方が、山田太一好きということもあり、半強制的に
このドラマのDVDを与えられて、鑑賞することに。
早春スケッチブック。
山田太一 原作・脚本。
文化的某はおざなりで、
阿呆みたいにアイドルごっこ、視聴率ごっこの
現在のTVドラマに失われてしまったものの
ばかりが詰め込まれている。
生きてゆくことは悲しかったり楽しかったり、恥ずかしかったり
誇らしかったり、色んなことが連続で起きるものです。
それらの裏側に有る心のひだを、ここまで見事に描ききっている
ドラマはコレ以外門外不出でしょう。
あらすじとしては、一見、
平々凡々、幸せな1つの家庭がある。
しかしその家庭を紐解くと、
父と娘、母と息子。
それぞれの連れ子同士が夫婦に成ったといういきさつの
家庭である。
子は当然、義父、義母兄弟なのである。
息子は大学受験を控えており、娘は多感な中学生。
父は信用金庫の課長、母は専業主婦。
細かな問題は抱えつつも、一家四人幸せに暮らしていた。
その穏やかな生活の中に、ある男の影が忍び寄る。
息子=鶴見辰吾、母=岩下志麻親子の本当の父親であり、
元夫なのである。
それが山崎努。
山崎努は元フリーのカメラマン。
諸事情により、カメラマン業を廃業した。
彼は18年ぶりに二人の前に姿を現す。
彼の出現にとまどう一家。
彼が一家の前に姿を現したのにはやむをえない事情があった。
今に成って姿を現し、自分の息子にどうしても伝えたかったことがあったのである。
下記のリンクURLに飛んで努の台詞を拾い上げて頂きたい。
http://www.youtube.com/watch?v=qU0gM--Mjt8
筆者は、この1場面がハイライトだと思っている。
山田太一、恐るべし。
by green-ball
| 2011-01-10 18:24
| 映画