2009年 04月 09日
文化の割れ目 〜その24〜 |
いよいよ龍馬先生講釈も、終焉に向かっています。
さて、ここで少しブレイク。
いやー、龍馬先生が生きた時代、江戸幕末さながらの、激動の時代、昭和。
たった50年前ほどにこんな考えの若者たちや出来事が存在したなんて。
かの有名な「あさま山荘事件」までの道のりをたどった、鬼才・若松孝二監督作の
「実録・連合赤軍 あさま山荘事件への道程」を今回ご紹介しましょう。
ものごころついている人は誰でも知っているであろう大事件。
しかししかし。
あの事件はまだ氷山の一角であり、
たまたま世間にその名を轟かせるきっかけに過ぎない。
以前、このあさま山荘事件を扱った作品で
「突入せよ!あさま山荘事件」というものがあったが、
あれは機動隊側からの視点の映画だった。
そっちのほうも面白かったが、と・に・か・く・この若松孝二監督の
「あさま山荘事件」の方が衝撃的。
もう、ぼくチン、トラウマです。
簡単に概要を説明すると、イデオロギーが社会や国を動かしていた時代、学生運動の一部、過激分子から派生した極左暴力、そこから生み出された連合赤軍の若者が何に動かされ、どのような道のりを経て、あさま山荘事件に至って行ったのか.......そして自滅したのか。
そんな彼らの生き様を徹底検証してゆく映画であります。
連合赤軍とは新左翼武装先頭組織である。
1971年、学生運動が下火に成り、よど号ハイジャック事件などで最高幹部クラスの逮捕、国外逃亡などで弱体化していた
共産主義者同名赤軍派の残党と、日本共産党革命左派が
思想は異なれど、それぞれ武力革命をする点で合致し、発足となった。
映画は、彼らが社会に衝撃を与えた「あさま〜」はもちろんの事、
後に明るみに成った狂気且つ壮絶な「山岳ベース事件」を中心に描かれている。
とにかく、当時の彼らの張りつめ偏った共産主義的思想、革命に当たっての彼らの取り組み方、そして緊張感を見事に表している。
ここで内容についてアレコレと講釈するのはナンセンスなので、まずは映画を観て頂きたい。
とにかく衝撃的。(何回ゆーねん!)
この事件の特筆すべきは、いつからか国を変えるという志を持ち、
共産主義という考えに触れ、感銘・同調し、実行に移そうと社会に牙を剥いた者たちは、すべて20代の若者たちだったのだ。
その革命の志、道程が一転、悪夢に変わっていった。
実際にあった事実という部分もそうだが、人間の業を感じる、非常に興味深い作品になっている。
若松孝二は、やはり天才だった。
by green-ball
| 2009-04-09 00:17
| 映画