2009年 04月 30日
文化の割れ目 〜その32〜 |
小田島等さんのこと。
小田島等。
彼は、漫画家にして、デザイナー、イラストレーター、そして
芸術ユニット「BEST MUSIC」のメンバーでもある。
僕は、彼のことを東京イチ面白い男なのではないだろうか、と想っている。
退屈屋の僕が、彼と一緒に居ると全くあきないのである。
僕は、高校時代から、サニーデイ サービスのファンであった。
氏は、そのサニーデイのレコード、CD、フロントマンである曽我部氏の
単行本の装丁........全ての作品に関わっていた方だ。
僕にとって、彼も青春のヒーローのひとりなのである。
彼の感性、画風たるや、類い稀に見る鋭利さ、そしてその中に在る、そう、
まるでお菓子や何かに用いるメレンゲの様な柔らかさが同居した人物なのである。
そして勿論そこはかとない、ユーモラス。
様々な媒体によって様々な姿カタチを変える男なのだが、
彼自体の金字塔とも言える作品が、上の写真にもある
「無 FOR SELL」といタイトルの書籍だ。
無を売る。
実に面白く、そして、深い。
人を喰ったかの様なストーリー、優しく儚いまどろみや白昼夢likeな手触りの、
氏のテイラーぶりに、正直参っちゃっている。
更に、この本の解説者は、ご存知 曽我部恵一氏。
この曽我部氏の必殺の文章も読んで頂きたい。
むせび泣く事必至。
小田島画伯は、インディペンデント且つ新進気鋭の
デザイナーやイラストレーターたちからも、未だに絶大な
支持と信頼を得ている。
他にも、80年代に活躍したアーティストたちの
作品をまとめた本の監修を行ったり、
その仕事ぶりも神出鬼没。
小田島等。
目の離せない男である。
by green-ball
| 2009-04-30 01:54
| 文化