2009年 07月 17日
文化の割れ目 〜その46〜 |
庄司信也 私的音楽家考察シリーズ。
お二人目は、ロック歌手、エレファントカシマシの宮本浩次さん。
エレカシのほとんどの楽曲を手掛けている。
曲を自作し、それを自分で歌う。
ミュージシャンとしては、当たり前かもしれないが、
ちょっと考えてみて欲しい。
まず、曲が良くないと、人のこゝろには響かない。
更に、歌い手の声や声量も、勿論重要になってくる。
そのふたつの才能を考えてみても、宮本さんの右に出るものは
いないのではないだろうか。
圧倒的なボーカリストとしての存在感、声量、声質。
幸せなことに、お仕事を通して、
僕も何度かお逢いしているが、
とてもタイトな体格をなさっていて、
よくあんなに大きな声が出るなぁと
思うのと同時に、僕らが憧れていた
「ロック」に選ばれた人なんだなぁ、と
しみじみ感じてしまう。
やはり、宮本さん独特の
奇々怪々なキャラクターが皆さんの
パブリックイメージになっているかもしれないが、
実際にお話ししてみると、しっかりと話を聞いてくれる、
兄貴的な雰囲気が、宮本さんにはある。
エレファントカシマシの音楽には
高校生の時に触れた。
それ以来、ずっと、ずぅーっと、ファンである。
言ってみれば、遠い、憧れの存在。
ゆるんだ己の身体に喝を入れるため、奮い立たせるため、太宰治を読む時に、
男の哀しみを背中に背負い街往く時に。
そんなときにエレカシの音楽は僕の体内・細胞全体に
流れるのです。
命の恩人、なんていうと、盲信的かもしれないけれども、
僕に取って、エレカシの音楽は、そういう部分で鳴り響いている。
人生の雄叫びである。
更に宮本さんの魅力は、何時の時代も、しっかりとボケている。
こんな言い方はどうなの?って感じかもしれないが、
ツッコミだらけの世の中で、しっかりボケ続けているのです。
世界規模で、こんなに魅力的なボーカリスト、人間は、そうそういないです。
by green-ball
| 2009-07-17 11:37
| 音楽